
映画『未来』の都内で行われた完成披露イベントをリポート。

舞台挨拶に、黒島結菜、山﨑七海、坂東龍汰、近藤華、松坂桃李、北川景子、瀬々敬久監督、湊かなえ(原作者)が登壇した。
本作は、『告白』などで知られる作家・湊氏がデビュー10周年に発表。『ラーゲより愛を込めて』『譲られなかった者たちへ』などの瀬々敬久監督が映画化した。湊かなえの最も過酷で、最も切ないミステリー。両親に捨てられ、祖母に育てられて教師となった真唯子(黒島結菜)と、教え子・章子(山﨑七海)の光と闇を描く“罪と希望”の物語。

主人公の篠宮真唯子役を演じた黒島は、「ここまで長かったなぁ~って」としみじみと撮影を振り返り、「この作品は大切に作り上げていかなくてはと思いながら演じていました」と伝える。
黒島は「演じていて、辛い思いをしながら生きている人たちに手を差し伸べることが出来る人間になりたいと思いました」と話した。

真唯子の教え子・佐伯章子を演じた山﨑は印象に残ったシーンについて、黒島とのラストシーンをあげ、「抱きしめられた時に黒島さんの体温を感じました。その時章子が感じたものを、そのままに演じたいと思いました」と話す。
黒島は「扉から章子が入ってきたとき、『守りたい、助けたい』という気持ちが沸き上がってきて、セリフがない分、体とここにある空気を大事に演じようと思いました。本当に良いシーンになったと思います」と話した。このシーンは瀬々監督も納得の仕上がりとなった。
父親から虐待を受ける少女・森本真珠を演じた近藤は「脚本を読み終わった後、”ズン”ときました。将来自分の子どもを守る立場になったときの真珠の強さを意識して演じようと思いました」と話した。

章子の母・佐伯文乃を演じた北川は、原作小説を読んでいたという。「原作のなかに”ビー玉”のような目をしたという表現があって、そんな目が出来ればいいなと思いながら演じました」と役作りについて話した。
章子の父・佐伯良太を演じた松坂は、北川と一緒のシーンで「この先、辛いシーンが多いので、ここで家族写真を撮りませんか」と北川から提案されたことを明かし、『頑張ってください』と思いながら撮影に応じたことを明かす。北川は「唯一幸せだった日がその日だけだったので……」提案した理由を話した。

瀬々監督は、映画化にあたって「湊さんは人とコミュニケーションを取るときの可能性と不可能性をデリケートに描く人。その部分を重要視したかった」と話す。
湊は「瀬々監督が撮ってくれて嬉しかった。俳優の皆さんの演技を見て、原作の向こう側の世界を見せてもらえました。感動して涙が出ました」と俳優たちに感謝の気持ちを伝えた。
最後に瀬々監督は「本作は、エンターテインメント作品ですが、その突き付けられた刃を共有して観ていただけたら……」と伝える。
黒島は「この作品を通して優しい気持ちになって、誰かに目を向けられる人が増えてくれたら嬉しいです。一人でも多くの方に観ていただきたいです」とメッセージを送った。
(取材・撮影:福住佐知子)

◆◆◆ライターのひとりごと◆◆◆
作品の内容にちなみ、20年後の自分や20年前の自分に言いたいことを話す場面があり、当時、仕事が順調ではなかったという北川さんは「大丈夫、そのままでいいよ」と伝えたい。
松坂さんもそっとしておきたいと言いつつ、「“そのままでいい”、あとは“挨拶をしっかり”かな」と言っていました。ふたりとも素敵な俳優さんになりましたね。
5月8日より全国ロードショー
作品情報
2026年/日本/PG12/配給:東京テアトル
(C)2026 映画「未来」製作委員会 (C)湊かなえ/双葉社
公式サイト:https://mirai-movie.jp/
