映画レビューと映画のイベントリポートで映画の魅力をお届けします


『口に関するアンケート』


趣向を凝らした背筋のモキュメンタリーホラーを映画化
ジャパニーズホラーの巨匠・清水崇監督との最恐タッグが実現

ⓒ2026映画「口に関するアンケート」製作委員会

都市伝説の恐怖をリアルに体感させたWeb小説『近畿地方のある場所について』で、一躍脚光を浴びたホラー作家・背筋は、 “モキュメンタリー”という架空の出来事を現実に起こった出来事のように演出する表現方法を巧みに使い、 “怖い話”が実在する世界線に読者たちを誘う。

実体のないデジタル空間での小説発表が見えない恐怖をあおった『近畿地方~』に続いて、背筋が仕掛けた本作は、スマートフォンより小さい判型でわずか63ページの薄さという異質な装丁や、真っ赤な口紅をつけた女性のにこやかな口元の絵が不気味な表紙、本文の文章にも謎めいた趣向が数々施されており、書籍自体に異様な雰囲気をまとわせた新感覚のホラー小説だ。


翔太(板垣李光人)、竜也(綱啓太)、杏(吉川愛)、美玲(MOMOKA[ME:I])の4人の大学生が心霊スポットとして有名な墓地にある呪われた木についての噂を聞き、肝だめしをする。すると、翌日、グループの一人が行方不明になってしまう。翔太たちは大切な友人を探し出すために、肝だめしの夜の出来事を証言するが……。


登場人物たちの証言だけでストーリーが展開するモキュメンタリー風の構成で、ラストにゾワッとする恐怖を用意した原作小説は「本当に怖い」と評判である。

相当な期待のかかる映画版で監督を務めるのは、『JUON』シリーズ(‘02~’06年)などを手がけたジャパニーズホラーの巨匠・清水崇監督。ホラーというジャンルにおける最恐にして最高のタッグが実現した。

墓地に着いた4人は、“呪われた”と噂される木まで一人ずつ歩いていくことに。肝だめしに誘った翔太、恋人同士の竜也と杏、霊感のような感覚を持つ美玲。それぞれの立場や思惑からとった行動が恐るべき事態を招いてしまう。

「どうしてそんな行動をとるのか?」という謎めいた行動がいくつもあるので、ぜひ謎解きをしながら観てほしい。背筋をしのぐ創造力があるだろうか?

原作に違わず、映画版のラストも衝撃的だ。清水崇監督らしい派手さはないが、じわじわと恐怖が増大するような背筋の原作のおもしろさを丁寧に映像化している。
(ライター:能登春子)

作品情報

2026年/日本/89分/配給:松竹
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kuchi-movie/


Back to top